如何にして望遠鏡はナオコを映したか
おかしくないですか????
でも、どうしてこんなことになってしまったんでしょうね。
本記事は『Cha-KEN Advent Calendar 2021』に参加しています。
ケフィアさん、ありがとー!
1.そもそもどこがおかしいの?
全部主に以下の点が挙げられます。
- ジュラル星人なのに、望遠鏡越しで見えたこと
- いつものうねうね姿にならなかったこと
- 観覧車から落下した後、爆発炎上したこと
2つ目については、ミイラなりゾンビなりでまぁまぁ事例があるから不思議ではないですし、3つ目については看護婦が工場排水で溶けたりしてますからそこまでおかしくはないですね。
ここでの注目ポイントは1つ目でしょう。
『ジュラル星人は鏡やレンズ越しに見えない』という吸血鬼みたいな特徴は、チャージマン研!の設定の中でもかなり準拠されているものです。
バリカンだから見えた!それだと、師範代がカメラのファインダーに映るはずです。
望遠鏡だから見えた!それだと、キャロンにはなぜ見えなかったのでしょうか。
気にするな!それだと、話が終わってしまいます。
この設定崩壊の裏には何があったのでしょうか。
2.そんな時は絵コンテを見よう
2010年に販売された、チャージマン研!公式サウンドトラック。これには、チャージマン研!の絵コンテが封入されています。
絵コンテには、アニメになかった没カットも収録。端折られた話の流れを見れば、きっとこの謎が解けるに違いありません!
そのようなわけで、確認してみます。
…間に没カット(13P目の一番上みたいなの)もありませんし、絵コンテの話の流れとアニメの話の流れに相違もありません。
どうやら、絵コンテの時点で辻褄があっていなかったようです。
よく見ると、絵コンテの題名が書き換えられています。
どうやら前の段階では「〇〇少女 私は誰!? 19話」という題名だったみたいです。絵コンテはいつ見ても新しい学びがありますね。是非再録して欲しいです。
とはいえ、絵コンテを見ても、謎は解決しませんでした。
それでは、絵コンテの前の段階ではどうだったのでしょうか。
絵コンテの前、つまり脚本を確認できれば良いのですが…
3.脚本には何が書かれていたか
残念ながら現在、チャージマン研!の脚本を確認する方法はありません。
かつて、2016年の『「チャージマン研!」の秘密基地』(通称チャー研カフェ)では、脚本の一部(星君話とか)が掲載されていたそうです。
とはいえ、『記憶を無くした少女』が掲載されていたなんて話は聞きませんし、掲載されていたとしても覚えている人はいないでしょう。
もしかしてICHI公式様に聞いたら見れるかも?でも紛失しちゃってるかもしれないし。そもそも見せていただけるものなのか。どうしたものか…
チャー研の没原稿、探したがあったわ。懐かしい。丸上げはしない。
— koichil (@koichil) 2021年2月15日
研坊が時止め能力発動するのもこれだったはず。あとジュラル星人が敵というよりは、様々な異星人とか相手にする形式だったのかな、当初は。 pic.twitter.com/cf4kUonZsE
koichilさんのツイートによると、没脚本では、ジュラル星人以外の異星人が出てきていたそうです。たしかに漫画版チャージマン研!では、ザイラスとかリリーとか出てきますから、おかしな話ではないですね。
また、絵コンテ版チャージマン研!には、確か、ジュラル星人ではない別の異星人の名前が記載されていたところがありました。見つけられなかったので、どなたか教えていただけますと幸いです。
これらを見るに脚本段階では、異星人はジュラル星人に限られておらず、絵コンテの段階あたりで他の異星人もジュラル星人に置き換えたと言えそうです。
つまり、ナオコも、脚本段階ではジュラル星人ではなかった可能性があります。
4.ナオコはジュラル星人だったのか
『記憶をなくした少女』は、題名が変わっていることからも、脚本から絵コンテを構成する段階で変更があったことは確かと言えるでしょう。
また、一連のシーンを見ても、ナオコは望遠鏡を覗くシーン以外でジュラル星人らしい振る舞いをしていません。 肌が紫で、カタコトで唸り声をあげ、消滅する間際もジュラル星人の姿に戻らない。これは、ジュラル星人ではない、別の異星人だったからだと考えるとしっくりきます。
ここで問題になるのは、望遠鏡に映らないシーンが発生した理由です。これは無理矢理にでもジュラル星人バレのシーンが必要だったからと考えます。ジュラル星人バレのシーンは、基本的に自ら明かすかレンズ等に映らないかのどちらかですから。
そのせいで辻褄が合わない描写になった…それは、チャー研クオリティに依るものと言わざるを得ないかもしれません。
5.まとめ
『記憶を無くした少女』に登場するナオコは、脚本段階ではジュラル星人ではなく、別の異星人だった。
脚本から絵コンテを構成する際、ナオコの設定をジュラル星人に変更する一方で、バレシーンの構成をおざなりにしたため、おかしな描写になってしまった。
しかしこの考えには、大きな問題があります。
それは、「脚本から絵コンテを構成する際に変更があった」としても、「その変更とは異星人をジュラル星人にする変更である」証拠がないということです。
そもそも、何故異星人をジュラル星人に統一したのか、全く検討もつかないのです!これについては、皆様のお考えを是非拝聴したいです。
これらを確かめるには、実際の脚本を見るほかありません。
いつの日か、チャージマン研!の脚本が日の目を見ることを願って、文を〆させていただきます。
(今後も、少しずつこの記事を更新するつもりです。)